プロフィール

川原圭博

経歴

コンピュータや携帯電話,インターネットなど,情報通信分野における新技術はライフスタイルをがらっと変えてしまう力を持っています.コンピュータネットワーク,モバイル,ユビキタスコンピューティングのコアとなる技術の研究開発を通じて,「未来の生活」をデザインすることをライフワークにしています.

情報通信の研究の中でも,現在では通信とエネルギーのあるべき関係に興味を持っています.無線通信技術の発達により,コンピュータ同士をケーブルで接続することなく高速な通信ができるようにはなりました.携帯電話などは電池が切れればそこで動作が停止します.通信のみを無線化しても結局機器へのエネルギー供給が足かせとなってしまっています.この問題に対して,二つのアプローチで研究を進めています.一つは環境中のエネルギーから微少な電力を取り出し,その電力で永久動作を目指すのがエナジーハーベスティングと呼ばれる考え方.もう一つは,電磁波を使って無線通信をするように無線で電力を送りあう無線電力伝送.従来の情報系の研究を超えて多面的に研究開発を進めています.

学生の頃,IT系ベンチャー企業での就業経験の中で,新しいアイディアをビジネスとして実装する重要性と喜びを学びました.論文を書くだけでなく,新技術を世に問うことにも興味を持っています.

研究室への配属を希望される方は、大学院の場合は大学院工学系研究科電気系工学専攻、学部の場合は工学部の電子情報工学科または、電気電子工学科に進学してください。東大電気系(EEIC)のウェブサイトはこちら

担当講義

過去の担当講義

研究プロジェクト

2016-2021ごろ

JST ERATO川原万有情報網プロジェクト

ERATO川原プロジェクトでは、私たちの環境に溶け込むデバイスに関する技術と応用の研究に取り組み、あらゆる環境下にくまなく遍在し、自ら然る(オノズカラシカル)“万有情報網”の構築を探求します。

総括:川原圭博

グループリーダー:筧 康明、高宮 真、新山 龍馬

プロジェクトWebサイト: https://www.jst.go.jp/erato/kawahara/

2010-2015ごろ

Instant Inkjet Circuits: 家庭用プリンタを用いたフレキシブル回路の作成

熱焼結が不要な銀ナノインクと家庭用インクジェットプリンタ、異方向性導電両面テープ等市販の素材や機材のみを用いて柔軟な回路を実装する技術を開発しています。廉価なプリンタを用いることで数万円の初期投資でだれでも家庭で安全にフレキシブルな電子回路基板を高速に実装できます。電子回路基板だけでなく、独自の特性解析により櫛形電極を用いた高精度な静電容量センサ、ガスセンサ、アンテナなどの実装も可能になりました。


環境電波からのエナジーハーベスティング

我々の生活空間中に高密度でセンサを配置し継続的にモニタリングを行うためには,センシング機能を備えた無線通信ノードを低コストで製作し配置するための技術が必要になります.本研究では,環境中に放射された電波を回収し,このセンサの駆動源に利用することを目指して研究を実施しています.最終的には紙の上に主要部品を印刷技術を用いて実装し,空中からばらまくことで広範囲のセンシングが可能になるようなアプリケーションを考えています.本研究は東大がNEDOの支援を受け Georgia Institute of Technology と共同で実施しています.


マルチホップ型無線電力伝送

現在では非接触充電技術により身の回りの機器を充電器に「置くだけ」で充電できるようになりました.また電磁界共振結合という比較的新しい手法を用いることで,送受信の機器間に間隙がある場合でも高効率で電力を「飛ばす」ことができるようになって来ました.本研究ではこれを更に一歩進め,複数の共振器の共振条件を制御することにより空間中でエネルギーの伝送経路を自在に操る技術の確立を目指しています.方式が実現すれば,宅内でどこでも任意の機器に電力を送ることができるようになります.

発表文献

研究発表

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解説記事など

報道発表,メディア,出演

受賞など

学会活動

組織委員

プログラム委員

論文誌編集委員

査読委員

Ubicomp 2009, Pervasive 2006, Ubicomp 2005, Ubicomp 2004, IWSAWC 2007, IWSAWC 2006, IWSAWC 2005, INSS 2007, INSS 2008, ICMLC 2007 etc.